
FXはレバレッジをかけて取引をするが基本です。しかし、「FXのレバレッジとはなにか」「大損しそうで不安」と疑問や不安や抱えている方もいるでしょう。
国内では最大25倍をかけられることが多く、高いレバレッジをかけるほど取引額を抑えられます。一方でリスクも大きくなるので、初心者は倍率を抑えつつ、FX投資を楽しむのがおすすめです。
そこで今回は、FX初心者のためにレバレッジの基礎知識や使い方・最大倍数の計算方法などをご紹介していきます。
Contents
FXのレバレッジとは
レバレッジとは「てこ」という意味で、てこの原理のように少ない元手で大きな金額が取引できる仕組みのことを指します。そこでここではFXにおけるレバレッジの特徴を学びましょう。
- 元手以上の取引ができるシステム
- 倍数に応じて利益もアップ
- 損失リスクも高まる
1.元手以上の取引ができるシステム
レバレッジとは、元手以上の金額を動かせるシステムです。口座に預けたお金が少なくても、それを超える金額分の為替通貨を買えます。
口座残高の何倍もの取引が可能になるので、大きな利益につながる可能性もあります。わずかなで多額を動かせるのが、レバレッジの大きな特徴です。
2.倍数に応じて利益もアップ
レバレッジは倍数を大きくかけるほど、利益につながる可能性も高まります。とくに2桁の倍数をかければ、より利益につながる可能性が高いです。
わずかなお金で大きな利益をあげられるので、非常にコストパフォーマンスが良いと言えます。
レバレッジ | 必要証拠金 | 取引額 | 値上がり後の利益 | 利益率 |
なし | 10万8,000円 | 10万8,000円 | +2,000円 | 約1.9% |
25倍 | 4,320円 | 10万8,000円 | +2,000円 | 約46.3% |
同じ取引額でも、25倍なら証拠金は25分の1です。しかし取引額が同じならもらえる利益は変わらないので、レバレッジをかけたほうがに証拠金に対する利益の割合が増えます。
3.損失リスクも高まる
レバレッジでは利益が大きくなるメリットだけでなく、損失リスクも高まるデメリットもあります。レバレッジをかけて取引額が大きくなればなるほど、少しの予算でも大きなマイナスになる可能性が大きいです。
レバレッジ | 必要証拠金 | 取引額 | 値下がり後の損失 | 損失率 |
なし | 10万8,000円 | 10万8,000円 | -2,000円 | 約1.9% |
25倍 | 4,320円 | 10万8,000円 | -2,000円 | 約46.3% |
高いレバレッジをかけてると、少しの損失でも残高を大きく傷つけます。とくに25倍かけたときの損失率は、非常に高くなります。
上記の表の損失率を見ると、レバレッジ25倍では1ドル2円下がっただけで損失率が46.3%にもなります。元手の約46.3%が損失になる計算です。対して、レバレッジをかけない場合の損失率は1.9%です。
FXの最大レバレッジや仕組みを解説
取引所では最大レバレッジという制約がありますが、実際の倍数は証拠金と取引額の関係で変わります。以下の4つの要点をみながら、取引のメカニズムを学びましょう。
- 多くの国内取引所は最大25倍
- 海外では100~500倍のケースも
- 取引所によってはコース別の最大レバレッジも
- 実効倍数は「取引額÷証拠金」
1.多くの国内取引所は最大25倍
国内取引所の多数は、最大レバレッジ25倍です。金融庁の規制により、これが上限となります。 日本国内ではFXにはまった投資家が、過剰な損失で破産することが問題視されていました。
金融庁は投資家の資産を極力守るために、現在の規制を行っています。日本における信頼性の高い取引所は、どこも国内の規制に従って運営をしているのです。
2.海外では100~500倍のケースも
海外のFX業者では、100~500倍といった大きな数をかけられます。以下にて代表的な例を、ピックアップしました。どれも国内では考えられない倍数です。
FX会社 | ライセンス | 最大倍数 |
GEMFOREX | ニュージーランドFSP | 1,000倍 |
XM Trading | セーシェル金融庁 | 888倍 |
AXIORY | ベリーズ国際金融サービス委員会 | 400倍 |
iForex | 英国領ヴァージン諸島金融サービス委員会 | 400倍 |
リスクが国内より大きいので、初心者にはおすすめできません。経験が浅いうちは、国内の業者を利用するのが良いでしょう。
3.取引所によってはコース別の最大レバレッジも
最大レバレッジを複数のパターンにわける取引所に注目です。コースごとに最大倍数をわけ、FXの経験に応じて選べるようになっています。
初心者はうっかり高額で取引しないためにも、最大倍数が低いところがおすすめといえるでしょう。たとえば楽天銀行のFXでは、以下のコースを設けています。
コース | 必要証拠金(1ドル100円時) |
25倍コース | 4万円 |
10倍コース | 10万円 |
5倍コース | 20万円 |
2倍コース | 50万円 |
初心者は5~10倍のように、最大倍数がほどよく小さいコースがおすすめです。
4.実効倍数は「取引額÷証拠金」
実効倍数は取引所が決めた最大倍数とは別に、ユーザーが実際の取引時にかけているものです。計算式は以下のようになります。
証拠金維持率の計算方法
FXのレバレッジを利用する際には、証拠金維持率が重要です。一定基準を下回ると、取引所から強制決済の措置を受けます。以下から計算式や強制決済の仕組みを、詳しく学んでいきましょう。
計算式
証拠金維持率は、以下の計算式で割り出します。
証拠金維持率=純資産÷ポジションに対する必要証拠金×100
自分のFX口座に50万円(純資産)を預けていたとします。25倍のレバレッジ率で1,000万円分のドルを購入した場合、必要な証拠金は1,000万円÷25倍=40万円(ポジションに対する必要証拠金)です。
この場合の証拠金維持率は、50万円÷40万円×100=120%と算出できます。
ロスカットラインは取引所により異なる
カットラインは維持率で決まりますが、取引所により基準が違います。以下の表をみていきましょう。
FX会社 | カットライン |
みんなのFX | 100% |
DMM FX | 50% |
SBI FXトレード | 50% |
GMOクリック証券・FXネオ取引 | 50% |
国内の多くの取引所では50%ですが、みんなのFXの100%のように高く設定しているところもあります。基準が高ければ資産のダメージも抑えやすいものの、ポジションを失いやすいことにも注意です。
FXレバレッジ取引の注意点
FXにおけるレバレッジに関しては、以下の2つの注意点に気を付けましょう。
- 証拠金は全額使わないほうがよい
- 損失により強制決済を受けることがある
1.証拠金は全額使わないほうがよい
預けた証拠金は丸ごと使わないほうがよいでしょう。損失が大きくなった場合に追加証拠金を求められるからです。
国内FX業者では元手の最大25倍まで購入できるので、少しのお金でも多くの為替通貨取引ができます。
この場合、3万円を全額使って75万円分の取引をするのではなく、1万円だけを使って25万円程度の取引にとどめましょう。
取引額に対応する証拠金は1万円だけになるので、あとの2万円は温存できます。過剰なポジションはお金を使いすぎることになり、損失時に金銭面で苦しくなります。
2.損失により強制決済を受けることがある
損失が大きすぎると、取引所から強制決済(ロスカット)を受けます。 ユーザーが過剰な損失の結果、生活に支障が出ることを防ぐためです。
基準には、証拠金維持率が関わっています。ポジションの時価総額に対し維持率が一定を下回っていると、強制的に決済を受けます。
損失の可能性に備えて、過剰な投資には気をつけましょう。
FXはレバレッジなし(1倍)の取引も可能?
FXではレバレッジ1倍でも取引可能です。ここでは、レバレッジをかけずに取引を行うメリットとデメリットを解説します。
メリット |
|
デメリット |
|
レバレッジなしでも取引は可能
FX取引ではレバレッジなしでも可能で、元手だけの為替通貨を買ってもよいです。ただし外貨預金とは違い、スワップポイントによる手数料は発生します。
プラスなら毎日少しずつ利益になり、マイナスなら払わなければいけません。1倍なら証拠金の範囲内で売買を繰り返すので、財務状況もわかりやすいでしょう。
レバレッジなしのメリット
レバレッジなしによる取引のメリットを、2つ紹介します。
損失リスク抑制
メリットの1つ目は、損失リスク抑制です。レバレッジをかけると元手以上の取引ができますが、損失額も増えるのが難点でした。
数千万のように多額を失うと、証拠金を足しきれないことも懸念材料です。しかし1倍なら所持金の範囲だけの取引額なので、資金不足のリスク抑制につなげられます。有効な安全策と言えるでしょう。
外貨預金より手数料が安い
もうひとつのメリットは、外貨預金より手数料が安いことです。
「1倍は外貨で銀行に預けているのと同じ」とも考えられます。しかし外貨預金では日本円に戻してもらう際に、手数料がかかります。
その点、FXは取引手数料無料な場合がほとんどなので、手数料を支払うリスクはありません。ただし、FXには買値と売値の差であるスプレッドがあり、広い意味での手数料とされています
デメリット
レバレッジ1倍によるデメリットにも、気を配りましょう。ここでは以下のふたつをご紹介します。
多くの利益は狙えない
レバレッジ1倍では、多額の利益は期待できません。取引額が限定的だからです。
所持金の範囲でやりくりするなら、余分な損失の心配がないため安心だと感じるかもしれません。しかしポジションあたりの利益も小さいので、コツコツとプラスを積み重ねる戦略を取ることになります。
1倍なら損失規模も抑えられますが、利益も限られています。
元手が増える
レバレッジ1倍だと、取引額に応じて必要な元手が増えます。たとえば10万円ぶんの為替通貨を買うとき、倍数の有無で以下のように異なります。
レバレッジ | 必要証拠金 |
1倍 | 10万円 |
3倍 | 3万3,333円 |
10倍 | 1万円 |
25倍 | 4,000円 |
以上のように倍数によって、必要証拠金も変わるのです。1倍は取引予定額どおりのお金を用意しなければならず、調達に苦労する人も少なくありません。
FXのレバレッジ取引で借金する可能性はある?
「FXで借金した人の話を聞いたから怖い」という人も多いでしょう。しかし、実際にはきちんと注意深く使っていれば、お金が足りなくなる心配はありません。
FXの運用が借金につながる主な理由は、次の3つが考えられます。
- ロスカットが追いつかずに多額の損失が残った
- 多額の追加証拠金を払えない
- 自分で借金分を投資してしまう
1.ロスカットが追いつかずに多額の損失が残った
損失規模によってはロスカットという強制決済を受けますが、ほとんどの場合はポジションがすべて消えます。しかし相場の下落が激しいと、決済が追いつかず多額の損失が残ります。
損失額次第では追加証拠金が必要です。しかしその追加証拠金が払えず、借金になるケースがあります。証拠金額が大きすぎて、損失を埋められないからです。
対策には余剰資金だけを使うという心がけが有効です。FX用の資金は、うまくいかないと全てなくなるリスクがあります。
2.多額の追加証拠金を払えない
追加証拠金を払えないほどお金に困る人もいます。損失額が大きいと証拠金を足すように、運営側から求められ、支払えないと強制決済を受けます。
それでもマイナスが残っていると、借金として不足分を払わなければなりません。
多額の追加証拠金を発生させないためには、以下の対策を施しましょう。
- 余剰資金だけを使う
- 証拠金いっぱいにお金を使わない
- レバレッジ倍数は2~3倍に押さえる
とくに証拠金の一部だけを使った取引は、証拠金維持率を高めるうえで有効です。余分なポジションをもたないように、心がけていきましょう。
3.自分で借金分を投資してしまう
FXにのめりこみすぎると、借金してまでもつぎ込んでしまう事例もあります。しかしこれは決して推奨できません。利益だけでなく、損失の可能性もあるからです。
取引に使うお金がなくなったときは、諦めも肝心です。仕事でお金を再び貯めつつ空き時間にFXを勉強しなおし、自身の投資戦略をじっくりと見なおすのがおすすめです。
初心者はレバレッジ 2~3倍がおすすめ
FX初心者の方には2~3倍のレバレッジがおすすめです。理由として以下のふたつをあげていきましょう。
- 1倍よりも元手が少ない
- 25倍より損失リスクが小さい
1倍よりも元手が少ない
2~3倍に上げるだけでも、充分に元手を抑えられます。たとえば10万円分を購入予定でも、2倍なら半分の5万円を用意すればよいのです。
しかし2~3倍程度なら準備すべきお金も少なく、ある程度はまとまった利益も望めます。経験の浅い人がFXを楽しむうえで、理想の倍数といえるでしょう。
25倍よりも損失リスクが小さい
もうひとつのメリットは、レバレッジ25倍より損失リスクが小さいことです。2ケタの倍数よりも1ケタの方が取引額が少ないぶん、損失規模も抑えられます。
たとえば1ドル108円を1,000通貨買い、105円に下がると倍数に応じた結果は以下のとおりです。
レバレッジ | 必要証拠金 | 収支 | 損失率 |
2倍 | 5万4,000円 | -3,000円 | 5.6% |
25倍 | 4,320円 | -3,000円 | 69.4% |
表中では25倍のレバレッジをかけると、証拠金に対しの半分以上を失います。しかし2倍なら5.6%の損失率で済むのです。
FXのレバレッジに関するよくある質問
まとめ
今回は、FXにおけるレバレッジについて詳しく紹介しました。FXのレバレッジは所持金以上の取引が可能です。
倍数に応じて利益も膨らみますが、損失リスクも増します。初心者はまず、2~3倍で試してみましょう。
また、FX取引では余剰資金だけを使い、取引も証拠金の一部だけを用いるように心がけるなど、リスクに備えておくことも大切です。
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